世田谷一家事件と俺

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この話、もう5年くらい隠していました。おおっぴらに笑い話として書く内容でもないし、被害者のご遺族・ご関係者、全力で捜査されている警察の方々の心情もあります。また、ひょっとしたら自分の身に危害が及ぶのではという心配もありました。だけど、事件を風化させずに、少しでも解決の糸口が見つかることを祈って書いてみます。

世田谷一家殺害事件 – Wikipedia

ある日、宇宙メガネ・Shozyさんとモスバーガーを食べてたら電話がジリリとなった。「03」からの着信だったのでなにげなく取ってみたところ・・・

「あーもしもし、マガリスギさんですか。こちら警視庁特捜部ですが・・・」

はて。いくらなんでも特捜部は大げさすぎる。マガリスギサイトに微妙にグレーなコンテンツを載せたり、視姦は無罪と主張していたことはあっても、いくらなんでも特捜部は大げさじゃないかしら。

「Shozyさん、ヤバイです。特捜部です」

Shozyさんにしても目の前の男へ特捜部から電話がかかってくるなんて初の出来事だろう。口に含んだポテトでむせかえりそうになっていた。

「えーと、俺なにかやりましたっけ・・・」
「実はですね、世田谷一家の事件はご存知ですよね。あの事件についてお話をお伺いさせていただきたく」

・・・なんと、世田谷一家殺害事件の現場に、アメリカで開催されているアートと音楽のフェス「バーニングマン」の会場のものと思われる砂粒が残されていたため、その当時実際に参加していた俺から話を聞かせて欲しいとの依頼だった。あまりの唐突すぎる事実に仰天。

bmentrance

※現在はこの砂はバーニングマン会場のものではないとの判断になっています。

「は、はぁ。では土曜の10時にマガリハウスでいいですかね・・・ていうか、よく電話や住所わかりましたね」
「まぁ警察ですから(キッパリ)。それじゃ、10時にお伺いします」

そして土曜日。10時キッチリにインターホンが鳴った。モニター越しにドカンと警察手帳が写っていて吹き出しそうになった。ご近所に見られていませんように・・・。

とりあえず部屋へ上げ、麦茶を振る舞う。

「早速ですが、お話を・・・」

まず、犯人が残したカバンからバーニングマン会場のものと思われる砂粒が出てきた。事件のあった2000年以前にバーニングマンへ参加していたのは、どんな人たちだったのか、なにか気になる人はいないか。そして、なぜバーニングマンへ参加しようと思ったのかについて。

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※繰り返しますが、現在はバーニングマン会場のものではないとの判断になっています。

さらに、被害者宅から「蛍光塗料」の微粒子が出てきたとのこと。

「ところでマガリさん。2000年に写真展をされてますよね?」
「えーと、あー、やりましたね。駿河台の」
「そこで、蛍光塗料を使ってますよね?」
「えーと・・・、あ!使いました!ブラックライトで光るキノコを作ったんです!」

正直なところ、ブラックライトで光るキノコを作ったことなんてほとんど忘れていた。そして、この時点で「バーニングマン参加経験者」と「蛍光塗料を使っていた」という点で、俺犯人説に一歩近づいていることに気づいた。ここでは、なぜブラックライトで光るキノコを作ろうと思ったのか、蛍光塗料はどこで買ったのか、その実物はもう持っていないかなどを聞かれた。

「あとマガリさん、このころ○○というメーリングリストに入ってましたよね?」
「えーと、入ってましたね。あんまりポストしてませんでしたけど」
「このメーリングリスト、50人くらいの登録者だったんですけど、実は被害者も入っていたんですよ」

なんと俺と被害者を結びつける線ができてしまった。同じメーリングリスト仲間だったのだ(メーリングリストって現在はほぼ消滅しているけど、登録したみんなでワイワイとメールができるLINEグループみたいなもの)。面識はあったか、メーリングリスト内でトラブルぽい会話はなかったかを聞かれたが、さすがに10年以上前の話であり、当時はgmailみたいなのもなかったのでメール履歴も残っておらず、記憶が薄かった。

「もうひとつ、マガリさん、このあたりは土地勘ありますよね?」
「えーと、あ、よく遊びに行ってましたね。仲のいいヤツが近くに住んでまして」

・・・気がつくと、どんどん俺が犯人なように思えてきてしまった。でも、事件当日はミレニアムカウントダウンパーティーに参加していたのでアリバイはあった。ただ、このころは日付けの感覚が曖昧な遊び方を続けていたため、いつそのパーティーに行って、いつ帰って来て、なにやってたのかほとんど覚えていないのだ・・・。

「ではですね」

刑事さんは手をジャケットの内ポケットに入れた。これは、ワッパが出てくるかチャカが出てくるか。どっちにしてもマガリスギ年貢の納め時だなと覚悟を決め、最後の一服を願い出ようかと思ったそのとき・・・

「犯人ではないという証拠のために、指紋を採らせていただけますか」

刑事さんの手には朱肉が握られていた。そう、事件現場には犯人のものと思われる指紋が多数残されており、指紋さえ見れば一目瞭然とのこと。

意を決して指紋を押す。ゆっくりとゆっくりと指を上げ、のぞき込む刑事さんの顔が・・・安堵の表情に変わった。いや、残念な表情だったのかもしれない。

明らかにマガリスギ指紋は犯人のものとは違ったのだった。

その後も刑事さんとはたくさんの話をした。砂の一粒、蛍光塗料の一片からも犯人へ近づこうとしているその熱意はすさまじいものがあった。なにしろ、俺が喋った「バーニングマンとは砂漠で行われるアートと音楽に溢れたイベントで、だいたい全裸」みたいなことまでキッチリとメモを取っているのだ。本当に少しでも犯人に近づこうとしていた。

この事件、現在は「上祖師谷三丁目一家4人強盗殺人事件」 という名称で捜査が継続しています。

最初にも書きましたが、この事件はまだ未解決で、犯人はどこかに(ひょっとしたらすぐそこに)いるかもなのです。おおっぴらに笑い話として書く内容でもないし、被害者のご遺族・ご関係者、全力で捜査されている警察の方々の心情もあります。自分の身に危害が及ぶのではという心配もありました。だけど、事件を風化させずに少しでも解決の糸口が見つかることを祈って書いてみました。

事件の解決を願います。そして皆様、どうか平穏な日々を。よいお年を。