美川憲一が大麻で逮捕されたときの様子を、当時の宝島から読み解いてみる

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1970年代に「芸能界大麻汚染」と呼ばれた時代がありました。

トップスターであった井上陽水、内田裕也、研ナオコ、内藤やす子、美川憲一、にしきのあきららが相次いで逮捕。「芸能界はどうなってるんだ?」と大騒ぎになったらしいのです。

さて、ここに1977年(昭和52年)12月に発売された雑誌「宝島」があります。タイトルは「あなたはどう考えますか? 総力特集 大麻レポート」

その序文では、こう述べられています。

いくら法律で禁止されているからといっても、それについて考えることまで禁止されているわけじゃない。さあ、マリワナについて、過度の思い入れも余計な偏見も捨てて、陽気に考えよう!

そう。当時はまだあまり一般的ではなかった「大麻」について、みんなで考えてみよう!という特集号。

芸能界大麻汚染の報道。にしきのあきらはポルノ女優から受け取っていたようですね。さすがや・・・

この当時から「憲法違反だ」という論議があったんですね。

作用についての説明も。

「マリワナ 賛否両論 コメント集」では、赤塚不二夫や筒井康隆、田原総一郎といった面々がコメントを寄せています。

赤塚不二夫氏は「ニューヨークで吸ったら音がキレイに聞こえた。でも、日本に帰ってからは欲しいとも思わない。アメリカでも解禁に反対するのはじいさんばかり」と語っていました。

なんというか、いまから40年前の時代の方がよっぽど自由で、ある意味「当たり前」の状態に感じられます。先日、元ジャニーズの田中聖さんが逮捕(その後、嫌疑不十分で不起訴確定)された際に、「大麻について考えてみよう!」なんて特集を組んだメディアやサイトがあったでしょうか? 「私も大麻を吸ったことありますよ」と言える雰囲気があったでしょうか?

田中聖さんが処分保留になった件をドラッグ事情通に聞いてみた
大麻所持の疑いをかけられていた、元KAT-TUNの田中聖さんが処分保留で釈放された件について、ドラッグ事情通・マガリスギ氏に話を伺いました。

どこもかしこも、「ヤツは前から怪しかったですよ」とか「クラブで遊んで全身にタトゥーが入ってますよ」のような、偏見に満ちた報道しかありませんでした。

大麻の所持という罪が確定する前から徹底的に攻撃を行い、処分保留で釈放された際には逆ギレコメントまで出る始末。

【外部サイト】松本人志 田中聖釈放で“矛盾”指摘「我々がアホみたい」― スポニチ Sponichi Annex 芸能

「大麻はあかん!って言っていた我々がアホみたい」の、「あかん!」の部分を考えないことこそ、アホですよね。

この当時の大麻は、いまのようなコンセントレートやエディブルの状態ではなく、いわゆる「ハッパ」の状態で、品種改良や管理栽培されたものでもなかったと想像されます。いろいろ緩い時代だったので、ガイジンがふつーに持ち運んでいたのでしょう。

そんな中、「佐世保ルート」と呼ばれる流通経路から大麻を入手していた歌手のジョー山中氏には、ひとつの伝説が残っています。

ジョー山中、内田裕也、美川憲一らが相次いで逮捕された際、ジョー山中氏だけは徹底的に黙秘を貫き、「(逮捕のきっかけとなった)400gの大麻は俺がひとりで使った」と主張し続けたとのこと。

【外部サイト】「芸能界大麻汚染」でひとり黙秘貫いたジョー山中の“男気”|芸能|芸能|日刊ゲンダイDIGITAL

当時の大麻と現在の大麻はTHCの含有量がまるで違うとはいえ、400gをひとりで使うのはなかなか大変・・・!尻から煙が出るレベル・・・!それでも、仲間を守ろうとしたジョー山中氏はカッコイイですね(犯人隠匿を推奨するものではありません)。

いつもの画像だけど、1オンス(28g)でこのくらいの量です。400gだと、ピローケースどころか布団カバー持ってこいのレベルですね。

画像引用元:http://greenito.com/news/how-much-is-a-gram-ounce-of-weed/

宝島を読み返してみると、確かに40年前に「芸能界大麻汚染」と呼ばれた時代があり、大きな議論を巻き起こしたようなのです。

ではなぜ、そこから40年もあったのに日本では大麻が禁止されたままなのでしょうか。

これは完全に想像ですが、その後の80年代のバブル景気では「クサ吸ってラブ&ピースよりも、シャブで24時間戦ってやるぜ!」になり、90年代は「精神変容なんて言ってるヤツはみんなカルト!テロ組織!」とバッシングを受け、00年代は「違法なものに手を出さなくても合ドラいっぱいあるからよくね?」となって、10年代にようやく「あ、日本だけ大麻の解禁議論が進んでいない」と気づいたのかな、と。

私がしっかり覚えているのは00年代以降のことですが、当時は合法ドラッグの品質が高く、いまの危険ドラッグのように危険性の高いものではなかったので、違法な大麻を所持しているより、マジックマッシュルームやAMTや5-MeO-DIPTの方が安心でした。合成カンナビノイドが振りかけられていると思わしき「正体不明な植物標本」もよく売られていましたよね。

もうすぐ2020年代へ突入です。合法ドラッグは危険ドラッグとなり、包括的に禁止されてしまいました。アメリカやカナダ、EU諸国では大麻の解禁が続いています。

そのころの日本では、しっかりと大麻について議論することができるようになっていればいいなと思います。