トレインスポッティング2を見た。日本のドラッグシーンと重ねての感想【ネタバレあり】

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90年代に生きる若者を鮮烈に描いた名作「トレインスポッティング」。ヘロインを腕に打ちまくり、禁断症状の幻覚シーンや、クラブで口移しに渡されるMDMAなど、たくさんの憧れと共感を集めました。

私も大好きな映画です。公開当時は「アンダーワールドが映画の音楽に使われるのか!」と、ずいぶんビックリしたものです。

続編の「トレインスポッティング2」を、遅ればせながら映画館で見てきました。観客は私以外に約10人。平日の昼間とはいえ、都内の映画館でこれは大丈夫なのか・・・ひょっとしてキングコングの上映館と間違えたんじゃないか・・・と思いつつ、話がスタート。

ここらからはネタバレを含みます。

うーんこ れは微妙!!!!!!!!! 絶賛している人もいるけれど、私はあまり楽しめませんでした。

20年という月日が経ち、登場人物がみんなオッチャンになっているのは仕方ないとはいえ、もっと前向きな、スタイリッシュな、憧れられる映画にして欲しかった・・・(前作がそうであったように)。

そもそも、前作で大金(といっても16,000ポンド、250万円くらい)を持ち逃げしたレントンが、逃亡先のアムステルダムでうまくいかずに故郷に帰ってくるという設定から後ろ向き。

そうじゃなくて、成功したレントンを他の3人が追いかけ回すくらいの夢が欲しかった。全編に漂う「どよ〜ん」とした感じが、なんとも悲しいのでした。

では、日本の20年はどうだったのか。

第三次薬物汚染と言われた「何でもあり」の世紀末(99年)を越え、マジックマッシュルーム全盛の2001年、危険ドラッグ(当時の呼び名は合法ドラッグ)のイタチゴッコが続いた2004年、何かを運んでいるらしいとウワサされていた北朝鮮からのマンギョンボン号が就航禁止になった2006年、1年で100万錠のリタリンを処方していた東京クリニックが廃業したのが2007年。

レイヴパーティーは「フェス」へと進化し、クラブのフロアでストロボたいて記念撮影しても乱闘にならないほどメジャーなカルチャーへと変化。

DJブースの裏へ誘われたので深呼吸しながら待っていたのに、テキーラのショットを渡されたときの「時代は変わった・・・」感。

20年前の自分からすると、無修正のエロビデオが見放題になって、一生かかっても聞き終わらないほどの音楽がポケットに入り、プレミアもののアナログシンセサイザーがパソコンで再現でき、LCCのおかげで海外へ数万円で行ける今の時代は天国のように思えるけれど、若者は相変わらず悩みが多い様子。

徹底的に薬物が根絶されてしまった今の日本の若者たちの方が、よっぽどココロを病んでいるように思えるのは私だけでしょうか。「トレインスポッティング2」でも、若者の描写を見たかったなー(EDMの大合唱と、したたかなヴェロニカくらい)。

あと、「Born Slippy」がひたすらイントロしか流れなかったのも・・・もどかしいー!!!!!!!!!

人生でバカなことができる瞬間というのは、実はずっと短いのかもしれません。でも、俺らはまだ小説を書くには早すぎると思うのだ。

後日追記。

この「もどかしさ」は、前作は「目に見えないモノに抗うためにヘロインを使っていた」けれど、今作は「老い」とか「怖いベグビー」という、分かりやすいモノが存在していたからかも。

また、前作に登場していたヘロインは、「国の保険制度に感謝だ」や、「処方箋を偽造していた」というようなセリフがあったので、恐らく医療用モルヒネを不正に入手し、精製してヘロインにしていたのだと思われます。「国の制度を利用して楽しんでいる」という感じ。

しかし、今作ではヘロインの描写が減り、コカインばかり登場しています(シックボーイは地下で大麻草も育てている様子)。コカインはモルヒネから精製できるものではないし、どこかで購入していると推測されます。そんなところも、なんとなく悲しく感じてしまうのでした。