カルト村で生まれました。を読んだ

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CREA WEB コミックエッセイルームで無料公開中の「カルト村で生まれました。」を読みました。考えさせられる内容でした。

カルト村で生まれました。 コミックエッセイルーム

http://crea.bunshun.jp/list/comic-essay-works

そして、単行本もついに発売されました。

生まれてから19歳まで過ごした「カルト村」での体験を描いたこの作品。両親と離され、労働や空腹、厳しい体罰に耐えながら共同生活を送っていた少女時代を回想し、かわいい絵と丁寧な手書き文字で当時の思いを綴ります。読者の皆様のご感想、お待ちしております!(月1回更新)

(CREA WEBより)

※「村」という表現を使っていますが、市町村区分としての「村」ではなく、同じ目的を持った集合体・コミューンのことです。

マンガの中では「カルト村」という特殊な環境の中で、体罰を受けながら強制労働に従事させられ、およそ現代の日本とは思えない生活を送ってきた筆者の日常が、ほのぼのと描かれています。この村はまだ現存しているため、具体的な名前は出してしまうと私のところへ怖いことが起きるかもなので控えさせていただきます。分かる人にはすぐ分かるあそこです(カルトチックですが宗教団体ではありません)。

これが理想社会を目指す実践コミュニティなのでしょうか。研鑽の末の結果が体罰なのでしょうか。

自分の意思で入村した親はよいかもしれませんが、産まれる場所を選べない子供は残酷です。こういった作品が世に出てくるということ自体、その村に育った子供の -少なくともこの筆者は- 違和感を持って生活していたことがうかがえます。

さて、私の手元に「アサヒグラフ編 にっぽんコミューン」という、古い本があります。発刊は1979年。コミューン活動が盛り上がっていた時代、さまざまなコミューンをインタビューした本です。

目次を見ると、獏原人村、無我利道場、ホビット村、山岸会という、マニアにはお馴染みの名前からハジメマシテなとこまで、全部で14のコミューンが並んでいます。

獏原人村は毎年夏の満月の夜にフルムーンパーティを開催しているので、野外フェスマニアなら訪れたことがあるかもですね。無我利道場は「大正生まれの元祖ヒッピー」とされる、ナナオサカキさんやポンちゃんが作ったコミューンです。離島のリゾート開発に反対するなど、自然保護運動を盛んに行っていました。詳しくはこちらの名著から。

ホビット村は「ほびっと村」という名前で西荻窪のビルで有機野菜を売ったり、フリースクールをやったり、素敵な本屋さん「ナワプラサード」をやったり、たくさんの人から愛され続けています。ナワプラサードは山尾三省の「聖老人」の企画・編集・発行を行っています。

このように、これまでも長い時代に渡って理想の社会を目指してたくさんの知恵が絞られてきました。

しかし、理想を追求しているハズが、その中で育った子供から「カルト村」と呼ばれるコミューンもあります。

理想の社会とはどのようなものでしょうか。自然豊かな農村暮らしなのか、文化あふれる都会暮らしなのか、競争のない田舎の学校なのか、レベルに合わせて上を目指せる都会の学校なのか、私には簡単に答えが出せません。

しかし、私が信じるひとつの明確な答え。それは「子供が幸せである社会」です。そして、その幸せの基準は子供自身が作るものです。そこにいるオトナが身勝手に子供のためを思って作る基準ではなく、子供自身が作るもの。

そして、オトナたちに大切なことは、都度その場で立ち止まることです。理想を追求しすぎず、常に疑問を持つこと、振り返ること、俯瞰すること、客観的に見ること、意見を聞くこと、あえて止めること、過剰にしてみること、左手でやってみること、目をつぶってやってみること、ゆっくり風呂に入ってみること、旅に出てみること、爆音で踊ってみること。そんなことです。

答えは出せません。だけど、考えることは続けていきたいです。