マガリが一人でやっているんじゃないのか、幻覚を見ているだけじゃないのか等、ごく一部で意外と人気のバーニングマン対談の第3弾です。
春になってより寂しがり屋度の増した「読書好きな大いなる宇宙の意志」と「いわんのバカクイズ」を交えつつ対談を行いました。
マガリ:
国籍が不明な顔とよく言われる純日本人の26歳。チャイナ服とか着るとハマリすぎるので着ません。でも密かに日本刀が欲しい今日この頃。
読書好きな大いなる宇宙の意志:
インナースペースよりわき出てきた意識体。愛読書は「どうせバカだと思ってんでしょ!!」飯島愛著。司会進行を司る。
大宇宙:こんにちは。
マガリ:まいどまいど。
大宇宙:今回で3回目です。今日はバーニングマン2000についてお願いします。
マガリ:はい。2000年はいろいろ充実して楽しい年でした。なんといってもチャリで会場まで走っていったのはいい経験でしたねー。
大宇宙:そもそもチャリで行こうと思い立ったきっかけはなんだったんですか?
マガリ:思いつきです。自分の力で行ってみたい、というのがまずあって、車で4時間くらいだから、チャリでも行くことは不可能ではないだろうと考えて。
大宇宙:でもムチャな挑戦ですよね。体力自慢でもないのに。
マガリ:はい。日本でも長期ツーリングなんて行ったことないのに、いきなり砂漠の道なんで本当に命がけでしたね。
大宇宙:準備も大変だったのでは?
マガリ:まずチャリを海外へ持っていくというだけでバカデカい荷物だったし、車でフリーウェイを通って会場まで行ったことはあってもチャリで同じ道を走ってよいのかも分からない。どこまで進めばお店があって、キャンプができるかとか、まったく分からないままでスタートしたんですよ。
大宇宙:リノからスタートしたのは夜中の3時ですよね?
マガリ:はい。本当は朝まで眠るつもりだったけど、緊張してどうにも眠ることができなくて、いてもたってもいられなくなったんで出発しました。もっと計画的にやればよかったんだろうけど、計画を立てられるほどの情報がなかったんで、勢いだけでスタートしてしまいました。
大宇宙:それからの走りっぷりはどうでした?
マガリ:最初はすごい快適だったんですよ。道でいうとHwy 445を走ってるときですね。順調に飛ばせて、日本じゃ考えられないような直線道路だったし、こりゃ意外と楽勝かな、と思ってたんです。
大宇宙:ふむふむ。
マガリ:でも、段々と道が険しくなってきて、朝日が出始めてきたので「やばいなぁ」と思い始めてきて。まずはピラミッドレイクを目指してたんですが、なかなか到着できないんです。太陽が上り始めてきたら一気に気温が上昇するんで、なんとしても日の出前にピラミッドレイクへ到着しなきゃと焦ってました。
大宇宙:ふむふむ。
マガリ:でも結局、なんとかかんとかピラミッドレイクに到着したときにはすっかり朝になっていて、日も照りつけてました。で、そこで一休みすればよかったのに、気持ちが先走っていたんで休むことをせずにそのまま走り続けたんですね。
大宇宙:ふむふむ。
マガリ:そしたら急に暑さにやられてしまって、強烈な苦しさが襲ってきたんです。もう、どうにもこうにも大変な状況で、ちょうど「INDIAN HEAD」という巨大な岩があったんで、そこの陰で一休みしようとしたんです。もう、最高にバッドトリップで、世界はグルグル回るし、猛烈な吐き気と怠さと、周りには誰一人いないという状況で、「俺はこんなところで死んでしまうのか」と思いながら横になりました。
もう本当に、なにやってんだろ、て思いましたね。日本にいれば貧乏だけど楽しい友達もいるし、恋人もいる。それがこんな砂漠の片隅で干上がった姿で発見されるのかー、て。親には「仕事でサンフランシスコに行ってくる」って言ってんのに、本当は砂漠の道をチャリで走ってるわけだし、やめとけばよかったと本当に後悔しましたね。
大宇宙:ふむふむ。
マガリ:でも意外と人間って頑丈に作られているのか、少し眠ったらそこそこ体力が回復してきたんです。で、これ以上ここにいても危険だと思って、とにかく先へ進むことにしたんです。
INDIAN HEADは道路からすごく離れているんで人に気づかれる可能性が低いから、同じ倒れるなら発見されやすい車道で倒れてやろうと思って、また走り出したんです。
大宇宙:ふむふむ。
マガリ:で、そしたら「WINO BEACH」っていう看板が見えたんで、湖へ入って暑さをしのごうと考えてビーチへ行って、服も着たままで湖に入ったんです。
大宇宙:ふむふむ。
マガリ:いやー、本当に生き返りましたね。バッドな状態だった頭が一気にシャキっとして、ぼやけていた視界が突然クリアになった感じで、「生き返ったー!」ということと「生きてる!」ていうことが、心地よかったです。いい具合に空腹感も出てきて、忘れていた「生」の感覚がよみがえった感じでした。
大宇宙:なるほど。
マガリ:でもあのとき、ビーチがなければ本当にどうなっていたか分からないですね。
大宇宙:よかったですねー。
マガリ:はい。その後はHwy 447という恐ろしい道を走りまくって、なんとかかんとかバーニングマンの会場まで到着できました。
大宇宙:到着してからはどうでした?
マガリ:いやー、おもしろかったですね。いろんな出会いもあったし、一人で日本から来てるってこともあってずいぶん親切にしてもらいました。到着してすぐにビデオカメラが壊れてしまったんですけど、それはそれでよかったのかなーと思います。カメラがない分、たくさん遊べたんで。
大宇宙:スチールカメラはこの年からLOMOではなくて一眼レフに変えてますよね?
マガリ:はい。LOMOは大好きなんですが、もっとクリアな写真を撮りたいってのと、そのころ日本でLOMOがちょっとしたブームになっていたんで、そういうのに嫌気がしてたんで、今年はLOMOは置いてこようと考えて。
大宇宙:会場の中の雰囲気はどうでした?
マガリ:いやー、スケールがでかくなったなーと思いましたね。入場者数も2万人以上だって言うし、センターカフェもすごい豪華になってるし、参加してる人の国籍も人種も様々で、99年までは白人ばかり目に付いてたのに、2000年は「いろんな国の人がいるなー」って思いました。
大宇宙:満喫しました?
マガリ:はい。ずいぶんと満喫させて頂きました。で、命がけのビジョンクエストの先で分かったことは「こういうイベントをもっとやって、たくさんの人が体験すべきだよなー」ということだったんです。やっぱね、あの場所に行くとそれまでの価値観がブっ壊されるんですよ。人生変わった、ってヤツもいっぱいいるし。
大宇宙:ふむふむ。
マガリ:でもまぁ、僕は2000年でバーニングマンに参加するのは終わりにして、サイトも閉鎖する予定だったんですよ。もう3回も行ってるし、バーニングマンのアジア圏オフィシャルサイトもできたんで、そろそろ手を引こうかなぁと思ってて。
大宇宙:ほぉほぉ。
マガリ:で、2000年いっぱいで終わりにしようと思って「サイト閉鎖のお知らせ」とか出してたんですけど、けっきょく「一度踊り出したら簡単にその踊りを終わらしたらアカン」という言葉を思い出して、まぁ、地味ながらももう少し続けてみようと思って、2001年の正月には「サイト閉鎖の取りやめのお知らせ」を出して、継続することを決めたんですね。
大宇宙:なるほど。
マガリ:アジア圏のオフィシャルサイトはぜんぜん更新されないし、内容も薄っぺらなんで、それじゃこっちはアンオフィシャルなことをウリにして、体験談を交えておもしろおかしくやっていこう、と考えたんです。バーニングマンでいうところの、「Black Rock Gazette」*2 ではなく「Piss Clear」*3 的な存在になっていこうと思って。
*2. バーニングマンの会場内で毎日発行されるオフィシャル新聞。
*3. こちらも毎日発行のアンオフィシャル新聞。
大宇宙:オフィシャルサイトに協力する話は断ったんですよね?
マガリ:はい。やっぱね、「オフィシャル」って居心地悪いじゃないですか。サイトの主導権も僕が握れるわけじゃないから、好きなこと書けないし。だからまぁ、オフィシャルはオフィシャルでやってもらって、こっちは勝手に好きなことをやっていこうっていう考えですね。
大宇宙:で、それが現在のマガリスギ.com*4 につながっていく、と。
*4. マガリスギ.netの前身サイト。2005年11月に消滅。
マガリ:はい。サイトの名前から「バーニングマン」というのを消したかったし、これまでは本名を載せてたんでそれもやめたいなぁと。あとバーニングマン以外のいろんなこともやっていきたいなーっていうのがあって。
大宇宙:ではその新世紀の話はまた次回ということで。
マガリ:はい。お疲れやんした。
-2003年4月 土曜なのに予定をドタキャンされて途方に暮れつつ収録-
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